設備機器の搬入・設置と前後して、玄関やポーチのタイル、外周りの基礎巾木など、左官・タイル工事を進めます。
玄関ポーチ
日本の住宅は、一部特殊構法を除いて基礎が地盤面から45cm程度は立ち上がっています。基礎の立ち上げが40cm以上あり、その上に土台を敷いて1階の床になるため、家の地盤からは、何段かの段差解消が必要です。基礎に関しては、以前学習してもらった講座にて復習して下さい。
家に入る段差の解消は、玄関からホール(廊下)は、一般的に『上がり框』という靴を脱ぐ場所で10~20cm程度の段差があります。そして玄関ドアを開けて外に出ると、ポーチとして2~3段程度の階段によって高低差を解消するのが一般的です。
ポーチタイル張り
玄関の外に、柱や壁がある場合は、ポーチのベースは基礎と一体となります。独立階段の場合は、ブロックなどで階段下地をつくります。多くの場合、雨で滑らないようなタイル張りか石張りで仕上げます。
基礎巾木と勝手口
基礎部分は、足場を外すまではコンクリートを打設した型枠を外したままの状態ですが、型枠の継ぎ目やセパと呼ばれる、型枠をボルト締めした跡を隠すために、モルタルを塗って仕上げます。土台部分に水切りを付けて、外壁通気層を設けるので、通気の穴がつぶれていないかも確認します。
テラス・階段
外周りには、勝手口のほか給湯器置き場やエアコンの室外機置き場など、台をつくる箇所がいくつかあります。ウッドデッキやテラスなど、別途外構工事で行うものもありますが、建物にくっついているものは建築工事で行います。下の画像は、勝手口の下だけ基礎巾木のモルタルを塗らず、後で出入り口の階段をつくることが分かります。左官職人さんが現場でモルタルを練り、金鏝で仕上げていきます。
玄関タイル
玄関のタイルも、最近は玄関ポーチと同様、300mm角程度の大きな寸法のタイルを張るケースがほとんどです。通常、玄関は四角いスペースですが、シューズクロークを玄関脇に配置するケースも増えており、タイルをカットして加工する工具をうまく使ってきれいに納めていきます。
ビフォーアフター
画像は広島市南区でお引き渡しした事例。玄関の上がり框を斜めにして、左側にシューズクローク経由で家族用のホールをつくりました。大理石風のタイルで仕上げています。上がり框の立上がりも同じ材料です。
クリンカータイルやモザイクタイル
画像のような小さなタイルを張ったり、和風住宅で玉砂利をするケースもありますが、職人の手間賃がアップします。画像の広島市安佐南区の事例では、色の配色にもこだわりがあった施主の奥さんが、どの色をどこに配置するか、現場で職人さんに伝えていました。
▼次回は、弱電設備について解説する予定です。