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注文住宅の予算把握とお金の話です。
(1)と(2)も復習したい方は下のバナーでご覧いただけます。
今回は、実際に家づくりを依頼する業者さん(ハウスメーカー・工務店)に接触する段階で知っておきたい情報です。あなたがこの記事を読むことで、いい営業担当者の見分け方や自分たちの注文住宅を安心して任せることが出来る住宅会社の見極めに大いに参考になるでしょう。
住宅会社の選び方と賢い交渉術
営業担当者の見極め方
「今月中にご契約いただければ、このオプションが標準仕様になります♪」
住宅を考え始めたとき、ほとんどの方が住宅展示場に行きます。
そして、アンケートに名前を書くとほどなく営業マンがやってきます。
ここでたまたま出会った営業マンが、あなたの担当になる可能性が大なのです。
間取りプランもあなたについた担当者の主導で決まっていくのです。
その時、どのような基準で営業マンを見分けているでしょうか?
- 「あの人は、感じがいいし、約束を守っている」
- 「実家も近いし、信頼できそうだ」
- 「熱心で、レスポンスもいい」
保険や、車など、高額商品を売る営業マンの共通の条件かも知れません。
しかし、『住宅』もそんな判断基準でよいのでしょうか?
住宅で重要なのは、
▼デザインや仕様
▼価格や耐久性
▼資金計画...などですね!
良く考えたら、営業マン個人で満たせるものは少ないのです。
上記のことに「責任を持って」采配を振るえる立場にないのですから。
では、優秀な営業マンを見極める方法はないのでしょうか?
実は簡単な質問をするだけで、その回答によって判断する”魔法の質問”があるのです。
私はそれを『ハウスメーカーの優秀営業マンを見極める5つの質問』というレポートにまとめました。
この5つの質問は、相手の意表を突いた時にとても効果のある質問です。
営業マンは自社の住宅の特長や性能には、自信を持って回答を用意しています。よくある質問には、しっかりと対応できるよう訓練されているのです。
そしてあなたの勤務先や年収、家づくりの予算などを聞き出すためのシナリオもしっかり用意しています。しかし、逆に「意表を突いた本質的な質問」には慣れておらず、答える内容や態度によって、その営業マンの経験値や会社の状況、信頼できる相手かどうか知ることが出来るのです。
意表を突くから効果がある質問は、事前に想定問答集で対策を練られると効果が半減するので、お名前とメールアドレスを登録してもらった方だけにダウンロードしてもらえる『電子ブック』としました。ご興味のある方はメールアドレスをご登録下さい。
竣工図を確認しよう!
あなたが工事費を負担する新築住宅は、何を根拠に建てられるかといえば「見積書」と「設計図書」の2つです。どれほど熱心な営業マンが要望を聞き取ってくれて、自分たちの希望が通ったと思っても、それが図面に反映され、契約時の見積書に「仕様」や「数量」が記載されていなければ、実際に建物に反映されるかどうか分かりません。
なぜなら現場で建物を組み立てる大工さんも、仕上げを行う職人さんも、図面を見て作業をするのです。そのほとんどが住宅会社の社員ではなく、協力業者の人たちで、あなたの打合せ内容は全く知らず、担当営業マンの顔さえ知らない人たちが家をつくっているのです。図面に描かれていないこと、仕様書や見積書に記載されていない工事は行われないのです。
企業にお勤めの方であれば、外部企業への「発注書」や「仕様書」「指図書」をみれば、その企業の姿勢や社員教育の充実度、担当者のレベルが概ね分かるでしょう。一般の企業であれば部外者に見せることはありませんが、数千万円の売上をもたらせてくれる可能性のある注文住宅の発注者が求めれば、通常の住宅会社は”個人が特定できない範囲”で、過去自社が施工した住宅の図面を見せてもらうことが可能です。
確認したいのは、間取りプランの豊富さではなく、実際に工事現場で使われた『着工図』や『竣工図面』。平面図や立面図だけでなく、矩計図や展開図などの「詳細図面」から、家具図面、電気設備、給排水設備や「構造計算書」まで、どのように保管されているのかも含めて説明を受けると、建築に対する姿勢やこだわりなども伝わってきます。図面が読めなくても、感じるところはあるはずです。
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完成事例見学のポイント
家族が数十年も住み続けることになる新築住宅では、営業マンや住宅会社をフィーリングで決めてしまわないことが重要です。過去の設計図書や見積書を見せてもらったら、今度は実際に建築している建物を見せてもらいましょう。お引き渡し前の『完成内覧会』に参加するもよし、工事中の『構造見学会』で自慢の建物構造や断熱材など、完成したら分からなくなる部位も見て説明して頂くとより会社の姿勢も分かるでしょう。
しかしそれ以上に見学したいのは、実際にその住宅会社で建てて”四季を通じて過ごしてみた”お客さんの生活ぶりと体験談です。新築で家を建てるのは、初めての海外旅行と同じで、ほぼすべてが初体験。新築で注文住宅を建てただけでもテンションが上がり、大満足です。しかしお引き渡し時のちょっとしたトラブルや、入居後の小さな不具合、実際に暮らしてみて思ったより使い勝手が悪かったり、意外に寒かったり・・・。
その住宅会社が営業トークで使っていた話材が本当に実現できていて、プランも十分練られていたものなのか、そして施工体制やアフター対応など、ハウスメーカーや工務店の実力が垣間見れるのが、入居済みのOB施主宅への見学です。もちろんクレームが続いたり、満足していないお客さんの家には案内されないので、その会社のファンのお宅でしょうが、直接話を聞ければかなりの情報が得られます。
ここでも、事前にいくつか「意表を突く質問」を用意しておくといいでしょう。
例えば「満足されていますか?」という質問ではなく、あえて「失敗した点や不満な点」を聞いてみるとか「もう一度家を建てるとしたら何に注意しますか?」など、マイナス面も聞いておくと、体験者の声はとっても貴重です。
会社のトップに会おう!
今の家づくりの多くは、これまで縁のなかった見知らぬ住宅会社探しからスタートします。住宅総合展示場に行って数社の展示場モデルハウスで営業担当者から話を聞き、住宅雑誌で気になる住宅会社をピックアップ、リクルートが運営する『SUUMOカウンター』などの家づくり相談カウンターで紹介されたり、自らネットで調べたり・・・。
住宅会社側からみれば、あなたは「大切な見込み客」であるのと同時に、自社以外の会社で選ぶ可能性も決して低くない『一見の客』でもあって、まずはお互いが「様子見」からスタートします。冷やかしではなく本気で家づくりを考えているのか、土地は用意できそうなのか、勤務先や年収はしっかりしているのか、家の好みはどうなのか・・・?
相手側が知りたいのは「あなたの個人情報や属性」であり、家づくりの専門知識や経験が豊富な建築士や現場監督などは、現在進行中の「契約物件」「着工物件」の仕事に従事しているから、応対するのは概ね営業担当者です。しかしこちらが知りたいのは、自分たちの要望をプラン化できる設計者の能力や、実際の施工技術に関して不安に直接答えてくれる建築技術者の経験値でしょう。
最初の商談段階で、営業担当者が応対するのは仕方ないとしても、営業マンだけでプランを進めたり契約の話に進んでいくのは避けましょう。このページの最初に書いた通り、営業マンの熱心さや相性は、その会社が建てている家にほとんど影響を与えていません。私は、早い段階でその会社のトップに会って、なぜ住宅会社を経営しているのか、どのようなこだわりを自社の住宅で取り組んでいるのか、経営者自身の言葉でその会社を理解することを勧めます。
なぜなら、その会社の最も優秀な人材は社長であり、社長以上に顧客のことを思い、優秀な人材がいたとしたら、その会社を見限って去っています。社長が優秀かどうかではなく、顧客への対応力の上限が経営トップだということです。ハウスメーカーなどの大きな組織であれば、支店長や営業所長になるかも知れませんが、クレームやトラブルになった時に対応の上限を決めるのは彼らです。営業会議で数字しか見ていないようなトップであれば、あなたの家も「売上げ」としか考えていません。
実際に「お会いしたい」とリクエストを出してみて、社員の反応でもその会社の実情が感じられるでしょうし、経営者から直接話が聞けたら、何を大切にしているのかをきっと感じることが出来るでしょう。契約するかどうかは、それからでも決して遅くありません。会社が存続している限り、会社を辞めない人に「当社に家づくりをお任せください」と約束させるのが家づくりの鉄則です!
建築費の賢い交渉術
住宅展示場に出展しているハウスメーカーの営業マンは、よくキャンペーンの話をします。他社との比較をしたくてまだ決めきれない相手であれば、単にオプションが標準で搭載されるような『オール電化キャンペーン』のようなものだけでなく「決算期の今月中にご契約いただけば、300万円の値引きを本社決済で勝ち取りました!」と、大幅値引きで心がぐらつくというケースも商談の現場では良くある話です。
しかし考えてみると、住宅展示場の出展費用だけでなく、広告宣伝費や営業マンの人件費など、多大な固定費が掛かっている会社が、リピート客にならない一見の個人客に、利益を度外視して契約することに何のメリットもありません。太陽光発電をプレゼントしたり、大幅値引きする理由は、そもそも存在しないのです。逆に言えば大幅値引きできるほどの最初の見積金額提示が、そもそも適正価格ではないのです。
テレビショッピングのような通信販売を冷静に見れば、申し込みをしてもらうための営業トークだけでなく、定価に対する「今回の特別価格!」、さらに付属品をつけたり、2台に増やしたり、最後に「番組終了後30分以内にお電話の方に限り♪」という、期限を付けて購買行動に誘導していることが分かります。通販であれば「失敗した」で済まされるかも知れませんが、住宅では大きなダメージです。
例え、土地の決済が近づいて、住宅ローンの事前審査をしている金融機関から「契約先は決まりましたか?工事金額の借り入れはいくらになりますか?」と尋ねられても、納得のいくプランが出来るまで、見積は依頼しないことが原則です。そして見積書は明細まで作成してもらい、わずかな『端数処理』程度の出精値引きはあっても、正確な数量と単価(=一式ではない)が入った見積をしてもらうのが、後悔しない家づくりの一丁目一番地です。
しかし実際に受け取った見積書が、当初考えていた予算よりも大幅にオーバーしているということは良くある話。逆に「予算内に収まっていて良かった♪」ということのほうが稀でしょう。それほど家づくりをする施主側は、期待と希望に夢膨らみ、要望は増えるばかり、施工者側もある程度予算を把握しながら進めるから、最低でも「予算枠上限」を目指します。100万円以上安く見積を出して、カーテンやエアコンなどを買う余裕が出るケースはまずありません。
そうなると、オーバーした見積金額に対して、予算内に収めるための価格交渉が必要です。
正確な見積を自負している相手に対して、大手ハウスメーカーの営業マンのように100万円単位の金額交渉をするのはそもそも失礼です。仮にまだ数社比較先が残っていても、今のままのプランと仕様を変えずに金額交渉には応じてくれないでしょう。ではどうしたらいいのか・・・。