古家付住宅が狙い目
全国で空き家が800万戸を超え、平均の空き家率は13%になっています。
つまり建物は建っているものの、使われていない住宅も数多く眠っており、タイミングによっては安く購入することが可能です。
中古物件を探そう!
冒頭でも書いた通り、利便性が高くロケーションのいい場所にはすでに住民が住んでいて、なかなか新しい住民が土地を購入することは困難です。しかし既成市街地でも人口減少と高齢化が進んでいて、建物が老朽化した中古物件は意外に多いもの。更地ばかり検索しないで、中古住宅も探せば選択肢がかなり広がります。
中古物件の判断基準
中古物件探しも、あくまで「新築を建てるための建築用地」の選択肢を増やすため。だから、通常の中古住宅取引のようなインスペクションや瑕疵保険云々は気にする必要はありません。以下、物件情報を見る時の判断材料を列記してみます。
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築年数
出来るだけ古いほうがお勧め。目安は昭和55年以前の建物。
昔の耐震基準なのでリフォームで住み続けるのはお勧めできない。
例え土台から上を大規模な耐震補強しても、基礎や地盤の強度が弱いと、熊本地震で倒壊した新しい建物のようになる。 -
構造
既存の建物は解体することが前提なので、木造を選ぼう。
一般的な木造の戸建住宅は100万円前後の解体費用を予算計上。
(機械で壊せるか、建築廃材の搬出路に2トントラックが通行できる程度確保できるかなど条件によって変わる) -
入居者の有無
入居者がいても売る意思があれば大丈夫。
ただし高齢者で引っ越す場合、物理的に部屋が狭くなり、家具や家電を引っ越し先に持って行けず、売買代金が入らなければ処分費も持っていないケースがあり、ごみ処理の覚悟は必要。解体費用も含めて価格交渉しよう。 -
権利関係
登記簿謄本で複数の所有者が存在しないか、銀行等の担保設定が残っていないかの確認が必要。
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境界確認
昔から住んでいる場合、隣地境界があいまいだったり境界ブロックが境界線の真ん中に造られているケースがあり。道路の境界も実態とは異なるケースもあるので、公図や測量図でも確認したい。
築年数が古い中古住宅は、ほとんどが高齢者が住んできた建物です。そこで生まれ育った子供たちも独立し、実家を継ぐ人がいない状況だと想像されます。金銭的余裕がなく自宅を手放す人が多いため、近隣との関係も含めて周辺の状況把握をしておいたほうがいいでしょう。
上下水道等のインフラはすでにあるので、付帯工事費は抑えられる可能性があり、また液状化が懸念される低地でなければ、地盤も安定している可能性が高いのが古家付の中古物件です。
老朽化した木造アパートは盲点!
一戸建て住宅を入手したいから、中古住宅も「売り物件」ばかり探しがちです。しかし実は「賃貸物件」の中でもお宝物件が眠っているケースがあるのです。それが老朽化して入居者の少ない『木造賃貸アパート』です。
昔の賃貸アパートは、敷地内に駐車場も用意していない建物が数多くありました。上記の画像もそのようなアパートの一つです。
昭和の時代に建てられた賃貸アパートは、郊外にスプロール化する前から賃貸ニーズがあった地域です。地域密着型のスーパーや地元商店などもあり、比較的利便性の高い場所なので、地価自体は下がりにくい場所だと想像されます。
すでにアパートを建築した家主ご本人は現役を引退され、すでに亡くなられて親族が相続されているケースがほとんどでしょう。周りも高齢化して、古い建物が多いエリアなので、若い世代の人たちが現地に行くと「衰退しつつある街」のイメージを感じるかも知れません。しかしそこが狙い目で、老朽化した建物と街の雰囲気で価格交渉によって安く土地取得できる可能性があるのです。
相続したアパートのオーナー自体、すでに近隣に住んでおらず大都市圏で暮らし、わずかな賃料収入を得ていたとしても、古い入居者が退去するとなかなか新しい入居者が入りません。建物を壊して更地にすれば、解体費用も掛かる上に固定資産税や都市計画税が跳ね上がり5倍程度の負担増になるから、当面放置しているというケースが良くあります。
木賃アパートの背景と購入のポイント
このような木造アパートは、長く住んでいる高齢者や低賃金の人たちがほとんどです。
家主としては、新しい入居者に入ってもらいたいものの、大規模リフォームなどの再投資も出来ず、今の入居者が自ら退去するのを待ってから活用方法を考えています。しかし古い賃貸契約では、借主(入居者)の権利が強く「正当事由」がなければ入居更新をせざるを得ません。正当事由があっても、次の生活のために引っ越し費用や移転補償をしなければならないため、老朽化に任せて放置しているケースが多いのです。
入居者募集の告知をしている老朽化した木賃アパートを見つけたら、賃貸管理している不動産会社に状況を聞いてみましょう。
入居者が1人か2人程度であれば、交渉して立ち退いてもらうことは可能です。家主自身の自己都合であれば、入居者はこれまで支払ってきた賃料もあり、移転補償を出来るだけ多くもらわないと退去しないという「感情」が働きます。
しかし「アパートも持ちこたえられないから売却予定です」となれば、家主の家計も苦しいのではないかと理解し、新しく住宅ローンを組んでこの老朽化したアパートを買う若い人たちに大きな負担を掛けずに引っ越そうかという感情も芽生えます。
家賃自体安いので、数か月分の家賃負担や引っ越し費用を補償として申し出ても大きな負担にはなりません。その分、不動産価格の値引き交渉も可能です。
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