10号前の講座で、室内の天井組みと壁の下地について解説しました。下地組みと耐火性を高めるための石膏ボード張りまでの作業です。その後外部などの仕上げを終えて室内に戻ってきました。作業前の工程は以下『住宅建築講座-28』にてご確認下さい。
パテ処理
自家用車をちょっとぶつけたり、小さな傷をつけた場合に、粘土のようなパテを塗り、サンドペーパーで磨いて下地を平滑にしますが、壁の下地も同様に、石膏ボードのジョイント部分やビス留めの跡などをパテ埋めしていきます。
使用材料
石膏ボード同士の継ぎ目の目地に張る「ファイバー(寒冷紗)テープ」とパテ材の「ジョイントセメント」が基本的な材料です。
コーナー補強
室内の開口部は、ドア枠などが回るため補強は不要ですが、廊下の曲がり角などの凸部分は、モノがぶつかったり擦れたりしやすい個所で、石膏ボードは欠けやすいため、下地の段階でコーナーの補強材を入れます。下記画像の白く見えるコーナー材です。
石膏ボードの継ぎ目処理
石膏ボードの短尺方向の左右の端は、少しだけ斜めの面取りをして、並べて貼った時にジョイント(継ぎ目)部分に三角形の隙間が出来ます。壁紙を貼った時に、下地の継ぎ目が目立たないように、パテ埋めし平滑に均していきます。この時、寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれるテープを継ぎ目部分に張って、上からパテしごきをしていきます。階段部分のコーナー補強とプラスターボードジョイント部分の寒冷紗テープの画像をご覧ください。
ビス跡補修
石膏ボード同士の継ぎ目部分は寒冷紗テープ(ファイバーテープ)を張って縦目地全体をパテ埋め作業していきますが、中間部にビス留めされた跡は、1か所ずつすべてのビス留め跡にパテ埋めしていく作業が必要です。この作業によって、薄い壁紙でもビスが透けて見えず、不陸のないきれいな仕上がりになります。
次回は、塗装仕上げの下地づくりを見ていきましょう。
日本は壁紙(クロス貼り)がほとんどですが、欧米では塗装仕上げのほうが一般的です。日本の石膏ボードのように縦に並べるのではなく、もっと大きめのプラスターボードを横張りにする『ドライウォール工法』が主流です。